Grit やり抜く力 の感想

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1. 情熱 × 粘り強さという枠組みへの共感

『Grit(やり抜く力)』は、全体としてとても納得しながら読めた本である。とくに「情熱 × 粘り強さ」という枠組みは、自分が感覚的に捉えていた“やり抜く力”の本質をうまく説明してくれていると感じた。多くの人が粘り強さよりも情熱の持続に苦労するという指摘にも深く同意する。興味が移りやすい現代では、一つの方向に情熱を注ぎ続けること自体が難しく、Gritスコアが伸びにくいのも自然なことだと思う。

2. Gritは鍛えられ、他領域へ転移する

また、Grit は先天的な才能ではなく、意図的な練習によって伸ばせる能力であるという点も印象的だった。博士課程で研究に取り組んできた経験を思い返すと、試行錯誤を積み重ねながら長い期間をやり抜くプロセスそのものが、自分のGritを育てていたのだと改めて実感する。そして、一度培われたGritは他の領域にも転移するという考え方も、創作や他の長期的な活動に取り組むうえで心強い視点だった。

3. 現実の生活環境との相性

一方で、Grit と現実の生活環境が必ずしも噛み合うとは限らない点は気になった。多くの社会人や学生は、仕事や勉強と「やり抜きたい対象」がぶつかりやすく、長期的な情熱に十分な時間を割きづらい。日常が細切れのタスクで占められる構造は、Grit を発揮しにくい場面も多い。それでも本書は、自分が持っている“やり抜く感覚”を丁寧に言語化してくれた一冊であり、今後の創作や長期的な取り組みを考える上で、確かな指針になる内容だった。