メルカリに『転売ヤーを駆逐するメリット』はあるのか?

タグ: chatGPT

メルカリを利用していると、いわゆる『転売ヤー』――人気商品を仕入れて高値で売る人たち――の存在が目立つ。ユーザーの多くは『転売ばかりでうんざり』と感じるが、実のところメルカリにとって、彼らを本気で排除するメリットはほとんどない。

なぜなら、メルカリの収益は取引額に対する手数料で成り立っているからだ。転売ヤーが活発に売買すれば、手数料収入が増え、全体の流動性も高まる。つまり『どんな理由であれ取引が増える』ことは、運営にとって利益になる構造なのだ。

しかも、転売自体は法的にもメルカリ規約上もグレーゾーンであり、明確に禁止されているのは『チケット・医薬品・偽ブランド』など一部に限られる。結果として、『悪質な転売』は取り締まりつつも、『経済を回す転売』は黙認するというバランスで運営されている。

もちろん、転売ヤーが蔓延すれば一般ユーザーが離れ、ブランドイメージを損なうリスクもある。しかし、彼らを完全に排除すれば出品量や商品の多様性が減り、マーケットそのものが縮小してしまう。メルカリにとって転売ヤーは、“嫌われ者だが必要悪”という矛盾した存在なのだ。

本質的な課題は、『どうすれば転売ヤーを排除するか』ではなく、『どうすれば一般ユーザーが安心して売買できる市場を維持できるか』にある。メルカリが次に進むべき方向は、禁止や排除ではなく、経済的に転売の旨味を減らす仕組みを設計することだろう。