AIとクラウドの相性について思うこと──短期的にはPaaSやIaCが足かせになる話
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最近、生成系AIを触っていると、コードを書くことはどんどん楽になっているのに、クラウド周りはますます重くなっているように感じる。ここに少し違和感があって、その理由を言語化してみる。
クラウドは“高コンテキスト”すぎる
AWS や GCP の仕様は、人間なら経験で補えるけれど、AI にとっては前提条件が多すぎる世界だ。コンソールが見えない、設定が分散している、組織ごとの暗黙知がある。サービスが増えるほど AI が理解しなければならない文脈も増えて、破綻しやすい構造になっている。
IaC も本質的には複雑さが残る
IaC があれば AI がコードを扱いやすい、というのは短期的には幻想に近い。クラウドの複雑さが単にコードとして書き出されただけで、plan の diff が正しいかどうかは結局人間が判断する。自社ネットワークのクセも IaC だけでは表現しきれない。
皮肉にも VM はAIと相性がいい
PaaS は便利だが設定が複雑で、AI が理解するには情報量が多すぎる。その点、VM はシンプルで、ファイルもログも全部見える。AI と協力して作業するなら、VM に寄せたほうが扱いやすいと感じる場面が多い。
これは過渡期の問題だと思う
長期的にはクラウド側が AI 前提の設計に変わり、PaaS や IaC は AI と相性の良いものになっていくだろう。ただ現在は、複雑さが勝っていて、PaaS や IaC が AI の足を引っ張る時期にある。
まとめ
- クラウドの複雑さは人間の“慣れ”に依存している
- AI はその暗黙知を扱いきれない
- IaC は短期的には複雑さのテキスト化に過ぎない
- VM は相対的に AI と相性が良い
- 今はクラウドとAIの“過渡期”である
AI と共に作る前提のインフラ設計を考える必要がある。その転換点にちょうどいるのだと思う。